マインドフルネスは、散歩からもアートからも創り出せる

瞑想だけが『マインドフルネスではない』アフリカ音楽でも『マインドフルネス』

サッカーチームで有名な『マンチェスター』市に『マンチェスター・アートギャラリー』がある。ここで面白いワークショップをやっているようで、足を運んだ。

ワークショップのタイトルは『マンドフル・マークス:ストレス軽減とお絵描き』。『マークス』の意味は、『印、記号』また『汚れ、しみ』という意だ。『自由に手を動かし”記号”、しみ””ともとれるものを描いて、マインドフルネスの状態を創る』とタイトルから理解できる。

実際に参加してみると、会場に近づくとアフリカ系音楽が聞こえて来る。約2メートル四方に大胆な色使いの絵が10点程、壁にかかっている。既に、参加者が数人いる。椅子に座っている人もいるが、寝そべったり、あぐらをかいたり気ままに自分の身を心地よく置き、画板の上に画用紙を膝におき、手にはクレヨンを持ち、没頭して描いている。余談であるが、私にとって画板は、小学校以来始めて手に取ることになった。

インストラクターの女性が笑顔で近づいてきて『あなたも参加してみる?』と、声をかけてくれた。『初めて来たのですが、どうしたらいいのですか?』と質問すると、
『音楽を聴きながら、絵を見て、そして好きなクレヨンを持って、画用紙に自由に描くだけよ。何を書いても、何色を使ってよいの。』との回答。そして、
『ほら、みて、みんな、特に何かを描いているわけではないの、この空間に居て音楽を聴いて、思いのままに画用紙に描くだけ。点点だけをずっと、描いている人もいるわよ。何かの作品を創る必要はないの。発表するわけでもないの。』
なるほど、既に参加している人たちの画用紙を眺めてみると、確かに、抽象画の様な幾何学模様、点点を書き続けていたり、線だったり、もちろん、動物や人を描いている人もいる。共通なのは、とにかく、皆さん没頭して、描いている。
インストラクターの人が続けて説明してくれる。『これがマインドフル・マークスというワークショップなのです。ここに掛かっている絵は、カメルーンのアーチストボリス・ネボの作品。音楽もカメルーンの音楽で、私と彼で選曲したの。この絵をみて、そして目を閉じて音楽を聴いて、何かを考えるのではなく、手が動くままに、画用紙に描いていくだけよ。ただ、座っていても全然構わないわ。とっても、平穏な気持ちになるわよ。やってみる?』
『はい、やってみます』思わず答えて、参加した。

はっきり申し上げて、私は、絵心は全くない。絵を観ることは大好きだが、幼少期に『お絵描き教室』に通ったが、一緒に通っていた1歳下の妹はアートの天才で小さい時から才能の差が歴然。自己嫌悪のかたまり。小学校時代の図工の時間は苦痛の時間だった。その私が、絵を描くなんて。。。と、自分の行動に半分驚きながら、取り組む。インストラクターが好きなクレヨンは何色かと尋ねたので『赤と緑と紫』と目にとまった色を答えて、そのクレヨンを渡された。初めは、周りの人が何を描いているのか気になったが、インストラクターが目を閉じて、深呼吸をして、描き始めたくなったら始めればいいわよ。ずっと目を閉じて座っていても大丈夫。』

なるほど、強制感が全くなく、義務感もなければ、何かを習得しなければという焦燥感もない。何もない。目を閉じながら、あるのは、『音楽』『絵』『私が手にしたクレヨンと画用紙』。そして、この空間にいる私自身であることに気づく。目を開け、クレヨンを持った手を動かし始めた。

約30分経過し、画用紙いっぱいに描ききり、自分の心が軽さとある種の喜びを感じ、これがこのワークショップから体験した『マインドフルネス』の状態だと認識。

『マインドフルネス、瞑想』というと、座禅を組まなければいけない、邪念だらけで難しい。。。と思いがちだが、このように、音楽を聴きながら、絵を描くという方法もあることを実体感。しかもこの音楽は、スピリチュアル系の音楽ではなく、どちらかというとファンキーなアフリカンミュージック。

『マインドフルネス・コーチング』の著者リズ・ホールは、本書の中で、散歩をしながらでも『マインドフルネス』の状態を創れると記している。